フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

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バ美肉の源流はボカロPなのか

0 補足

バ美肉(ばびにく)……バーチャル美少女(セルフ)受肉の略
動画配信者が、その仮想空間にて美少女キャラクターとなり、自身のコンテンツに登場すること。リアルタイム3D画像だけでなく、2Dの立絵や場合寄ってはアイコン画像をも含むことがある。
事務所が外注するのが主流になりつつあるものの、自分が描くのもアリでこの場合セルフ受肉と呼ばれる 伊藤ライフ先生


ボカロP(ぼかろぴー)……Vocaloid プロデューサーの略
初音ミクなどの音声合成ソフトなどを用いて、(自作)楽曲動画を配信する制作活動家
作曲家やシンガーソングライターとは属性が異なるが、その点を深く追求すると記事ひとつ書けてしまう。
企画、作詞・作曲、ボーカロイド調声、イラストの描画、動画編集、投稿、宣伝、マーケティング、そして企画に戻る、というサイクルが一セットとなっていて、やっていることがジェネラリストのそれであるから、と簡潔に表現できる。

初音ミク 令和4年度1枚目



バ美肉? ボカロPってなんやねん? となるかも知れないので補足から入りました。
結論:共通点がある
そして、ボカロのほうが昔に栄えていたため、源流、あるいは遡上にあると言える


以降、仮想空間にて美少女キャラクターの様相で振舞うことと、美少女にキャラクター化されるボーカロイドに自作曲を歌わせることの共通点/相違点について、長々と説明します。


1 バーチャルユーチューバー
バ美肉」の代表格にバーチャルユーチューバー、略してvtuberの存在があります。
これについて解説します

vtuberは主に2系統に分類できます
1.事務所所属のリアル女性勢
アイドルに憧れていたけれど、容姿が……ではなかったため、その容姿をあまり問われないvtuberとして活動している勢力です。
RPGに例えると、それなりに優秀な技・ステータスを保持しているものの、HPえっちぽいんと が低く、ボス戦ではあっという間に乙ってしまい、結果、真の仲間 には選ばれないキャラクターです。
しかし、環境によっては輝く: 火属性攻撃が主体のボスで火属性耐性を付ければ十分すぎる活躍をするといった こともあります。

ですが実際のところ、我々負け組勢にはもったいないほど容姿端麗でプライドも高いです。
オタクネタに走っている方もいますが、ライバルが多い世界でキャラを尖らせるための苦肉の策と考えた方がよいでしょう。
また、お高くとまっているところをイジると、ガチ切れされるので推奨しません。
ハナシがそれました。

2.主に個人のおじさん勢
解説系やゲーム実況の動画で、もともと自身の声を充てていたが、主に再生数などの問題にぶち当たり、バ美肉、転生した勢力です。
バ美肉おじさん というカテゴリーでバ美肉が広がったため、本トピックではこちらの勢力を掘り下げていきます。
おい、けつだせ

ねとらぼ が美少女vtuberの中身が男性であっても、動画の視聴を続けるか? というアンケートをしました。結果90%以上の視聴者が、視聴を続ける、と解答したそうです。

これについて、諸説言われていますが、最も有名な解答を紹介。

京都のお寺の枯山水(庭園の様式)は水が流れていないが、水が存在すると見立てて楽しむ共通認識―文化がある。
人形浄瑠璃の黒子は見えているが、見えていないものと見立てて楽しむ共通認識―文化がある。
日本にはこの「見立てて楽しむ」文化がある。
美少女が、バーチャル空間に存在し、中の人(中年男性)がいないもの、と「見立てて楽しむ」文化であるため、多くの視聴者は視聴を続けるのだ。

まぁもっとも、シンプルに、かつ自虐的に
動画に求める面白さは、生身の女性らしさとはベツモノで、バーチャル空間の享楽とリアル空間の享楽を分けて考えているからだ、と考察しています。


二つの勢力を解説しましたが、共通して、彼ら、彼女らが活躍できる場が「すでにあった」と結論できます。
それは、「見立てて楽しむ文化」かもしれませんが、もっと近年に類似するモノがあったと記憶しています。

そうです、ボカロ文化です。


2 ボカロP
1.中の人
「ボカロP」と他の音楽クリエーターを分けることは困難です。
ですが、ひとつの方法としてマジカルミライに応募・参戦しているかで分けることができます。
これはピアプロというクリプトンフューチャーメディア社(初音ミクの会社 札幌市)運営する楽曲投稿サイトが毎年応募を掛けています。
一言で言えば、ボーカロイドの総本山ですね。

ピアプロに登録すると、デフォルトで「初音ミク」のアイコンが設定されます。

 

ピアプロのユーザーアイコンの選択画面


そして、2、3曲投稿した当たりから、自分のアイコンを自分で描くか、誰かに描いてもらうかします。
しかし、ピアプロ内で応募を掛けると、その仕様もあってか、圧倒的にボーカロイドのイラストが多くなってしまいます。
そして、ピアプロユーザーから入ったクリエーターは交流サイトでもその自分で描いた、あるいは描いてもらったアイコンを使います。

この文化はピアプロが開設された2007年12月3日(約15年前)から始まりを見ることができます。
アイコンにゲームやアニメの架空のキャラクターを使用する例は見受けられますが、仮想現実の存在という共通認識のもと男性がバーチャル美少女を自身の代わりとしてアイコンに使用し、それが普通である/特異ではないという空気はピアプロ内の空気でもあります。 つまり、ボカロPの総本山から流れていると言っても過言ではありません。

2.視聴者
ボーカロイドの全盛期、大きな盛り上がりを見せていた時期は2008~2010年ごろ、12年までは辛うじて……だったと言われています。
軽く10年前です。
当時、20代前半だったクリエーターも現在は30代前半、30代だったクリエーターは40代になっています。
当時の視聴者層は小学校高学年から20代後半がメインだったと感じています。
vtuberの視聴者層は

人気VTuberが数多く所属する「ホロライブ」「にじさんじ」が公表している視聴者の年齢層は、いづれも18歳~24歳が約45%、25歳~34歳が約30%と、若者が中心となっています。
by goole

とのこです。
つまり、ボカロ動画の視聴者の年齢層がそのままvtuberの視聴者層にスライドしているとも言えます。
もしかしたら、"中の人"の層も同じかもしれません。

なお、自称ボカロPの筆者の年齢は察し……
ニコニコ動画の衰退については、別口で語ります。

バーチャルアイドルを受け入れている視聴者層」という共通点を見出すことができますが、反証も紹介しておきます。

「歌い手」のほうがやっぱりいい、という声がボカロ全盛期当時からあり、総じてそちらの方が人気になりました。
また、リアルなアイドルのほうが、興行収入を上げていたのは言うまでもありません。
今でも、リアルなアイドルは芸能界の主軸になっていますし、ネット界隈でも生身の配信者のほうが再生数を稼いでいます。

つまり、主要な層として現在の18歳~34歳を上げていますが、大きなカテゴリーのなかでは少数派グループの統計にあたるため偏りがあるはずだ、という指摘はあるかと思います。
また、立証困難な当時の感覚に頼った考察なので、まともな論拠にもなりません。

「それ、あなたの感想ですよね」「はい、そうです」

しかし、それでも人気チャンネルには100万人単位の登録者を有しているので、一定の信用は得られると考えています。

1    A.I.Channel    キズナアイ    3,090,000
2    Pekora Ch. 兎田ぺこら    兎田ぺこら    1,940,000
3    Marine Ch. 宝鐘マリン    宝鐘マリン    1,920,000
以降省略


3 まとめ

バ美肉(おじさん)とボカロPはバーチャルアイドルを通して表現している。 共通点1
視聴者層も被っている。 共通点2
ボカロの流行がバ美肉の流行より10年ほど昔であった。 時系列

以上の3点から、バ美肉の源流はボカロPであるとする考察は立証困難であるものの、おおむね確からしいと結論づけられます。

最後に、主にゲームを扱うブログでバ美肉を扱っているのは、ゲーム実況をするvtuberが意外と多いから、です。