RPGにはよく 魔女 が登場します。
本家とされる西洋のおとぎ話では、醜い老婆が主流のようですが、JRPGでは麗しい美女が多いです。
そういう需要があるから、と言ってしまえば元も子もありません。 そして、多くの場合、主人公側でも敵対側でもない、第三勢力として登場する印象です。
加えて、何か重要なアイテムを探してきてくれ、昔世話になったある人を助けてきてくれ、など いわゆる お使いイベント をこなしたのち、協力してくれる流れがあります。
もっとも、この限りではない 魔女 も存在します。
ただ、「魔女の概念」が西洋文化に広まったのは、
ハインリヒ・クラーマー著 「魔女に与える鉄槌」(1486年・まじょにあたえるてっつい、ラテン語: Malleus Maleficaru)
の影響が大きいとされています。
この活版印刷には挿絵があり、そこには善良な人間を堕落させる「魔女」として、艶めかしい女性のイラストが添えられていました。
当時、そういった構図は主に宗教的理由で不道徳なものに分類されていましたが、「魔女・悪魔」なのでセーフ※、みたなところがあり、イラストレーターが気合いを入れて描いていたそうです。
一説によると、これらの挿絵が売り上げに貢献したとか……。
悪魔と“契約”をして悪徳を蔓延させるのが「魔女」の目的です。 当時の社会通念では、薬を処方してケガや病気を治すのも、神(宗教組織)への信仰を媒介しない行為であることから、悪徳に分類されるのだと想像できます。
しかしながら、子供向けのおとぎ話に「魔女」を登場させるとき、淫乱な女性を出すのは“ちょっと早い”です。
そういうわけで、醜い老婆の姿に改変したのかもしれません。
もし、そうなら、「魔女」を魅力的に描くJRPGの文化は原点回帰なのかもしれません。
ゲーム等のストーリーにおいても、既存の権威主義的な集団へのアンチテーゼの役割を果たす機会が多いことも含めて。
※ 現代でもそうかもしれません; サキュバスおねぇさんはセーフ
魔女のモデル:ジプシー説や巫女・シャーマンの起源について語ると本当に長くなるので、今回は書きません。