フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

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ゲームの「コンセプト」

コンセプト:概念や発想 ものごとの基準となる考え方

絶対ではありませんが、多くのゲームはひとつのコンセプトに従って制作されています

 

例:戦闘がメインのRPG

例えばRPGにおいて戦闘の面白さに重点を置いたコンセプトであった場合、
いかにしてプレイヤーに「戦闘の面白さ」を伝えるについて優先的に構築していきます。
独自の戦闘システムであったり、スキルや装備品の拡張性、パーティーのバラエティー、各パラメータ―のバランスなどが感覚的につかみやすいデザインにします。
それぞれ、組み替えることが可能なデザインにすると、やることが多すぎて、逆にとっつきにくくなるので、その辺りのチュートリアルもうまく組んでいかねばなりません。
ストーリーも、戦闘システムを説明するための目的 を帯びるようになりますし、目の前の多彩な戦闘の動機付けとなるため、とって付けた感覚を与えてしまいます。
種族による特性という概念がある場合、その特性にあった種族のエピソードをシナリオに落とし込む"何か"を迫られるのです。

よって、戦闘の面白さを主体的に表現するRPGはストーリー表現やキャラクター表現、アクションギミックが「薄味」になってしまいます。
昨今の環境では悪目立ちするので、「クオリティが低い」という大味な低評価を受けることが多いです。(具体的にサガ・エメラルドビヨンドのことではありません……たぶん)

逆に、ストーリーやキャラクターを重視するRPGは、戦闘難易度を単純なパラメーター成長や目で見てわかりやすいギミックに依存する傾向が強いように感じます。
一部のプレイヤーからは「戦略性が薄い」とか「RPG初心者にもやさしいデザイン」とか言われます。

「コンセプト」を前面に出すと評価が分かれます。
刺さる人には刺さる ということもできます。
ラーメンで例えると二郎系・家系、あるいは魚介出汁のラーメン、八角ラーメンは好き嫌いがはっきりしています。
Sa・Gaシリーズは攻めたデザインで万人向けではありません。 好き嫌い、向き不向きが分かれる宿命の下にいるのです。

 

ゲームの世界観とコンセプト
コンセプトが明確であるとゲーム世界に「統一感」が出てきます。
かわいらしい魔法使いが活躍するファンタジーであれば、彼らの目的は血なまぐさい闘争よりもほのぼのとした依頼を達成するほうが向いています。戦士系のキャラクターもいると広がりを出すことができますが、最終的に物理アタッカーは引き立て役にし、広く共有されている魔法使いの戦術、つまり属性攻撃で弱点を突く、バフ・デバフを駆使する戦い方 が輝くバトルデザインにしたほうがよいでしょう。

逆に、戦士系のキャラクターがメインのダークファンタジーであれば、属性攻撃の有効性を示す場合、後方支援キャラクターの能力によってメインの戦士系キャラクターの物理攻撃に属性が付与されるほうが合っています。
アタッカーのほうが活躍している印象が強いですし、ロールは固定化されているほうがわかりやすいから、です。

 

筆者拙作は部分的に成功――しかし数値的には……

「あと10分で魔王が――」はRPGツクールMZデフォルト素材で作るという「コンセプト」がありました。
なので、主人公はリードとプリシアでしたし、Actor1のキャラクターは主要なキャラクターとして採用しました。
わかりにくかったかもしれませんが、――呼応した男女のキャラクターでミニイベントを用意しているので、モトネタとなる素材を知っている人へのアプローチになったかもしれません。
ただ、武器・防具、スキルの名前は変えました。
そのままでもよかったのですが、初心者ツクラーが意図して独自色を出しやすい要素だと思ったので、コモンイベントを駆使して、プラグインに頼らない範囲で特徴あるシステムに組み込むことを目指しました。
よって、ストーリー・シナリオに特異なものは入れないようにしました。
異世界に転生した主人公が魔王を倒す、というありふれた内容です。
そこに、「温州みかん」のノルマである「悪行値」とレトロRPGリスペクト要素を入れただけです。
しかし、それだけで、そこそこのオリジナル性を表現している評価をいただけました。

ただ、デフォルトのキャラクターやシステムは目新しさが全くないため、仮にプロモーションにある程度成功したとしても、DL数は伸びません。
やはり、コンセプトのとしての面白さと、数字を伸ばすことは同議ではないのです。
この記事も、負け犬の遠吠え のようなものかもしれません。

売れること、伸びることが優先されますが、そのなかで面白さにつながるコンセプト・プロットを仕込めるかが今後のゲーム開発の課題でもあります。