フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

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ゲームの「リアル要素」

結論
リアル要素がないと悪い意味でツクリモノっぽくなってしまう
リアル要素を入れるときにはゲーム性を損なわないことが、何より重要

雰囲気を重視するゲームの場合、その世界にマッチしているか、いないか、という判断をしなければならないが、その基準を問われると困る。 個々のセンスとしか言いようがない。 申し訳ない。

 

はじめに
ゲームの世界は簡略化された世界です。
しかし、あまりにリアル要素を省いてしまうと、それはそれでツッコミどころとなります。
遊びやすさを追求した結果 簡略化されているものもあれば、開発期間や人員、開発費、あるいは技術的な壁などによって妥協してしまったことなど、その理由は様々です。
よく省かれる「リアル要素」を挙げてみます。

例1 弾数無制限や壊れない武器防具

ヒラヒラの服を着ていて、弓を持っていて、鹿を連れている狩猟の女神


弓を射るのに矢が必要ですが、矢をシステム的に消費せずに放てるRPGはいくつもあります。
敵に強く打ち付けていることを考えると、武器は当然壊れますし、防具の強度も有限です。 少なくとも刃物の切れ味はおちます。 が、そのような制限のあるRPGは少数派です。
これらの処置は遊びやすさを優先した結果です。
強い武器や防具は手に入れた時に使いたい、試してみたいと思います。しかし、使ったことによって、その価値が下がると使うのをためらってしまいます。
結果、使わずじまいとなり、それらの強い武具を手に入れる過程の苦労がゲーム的に報われなくなってしまいます。
エリクサー症候群……

例外的に 銃器など弾薬を消費する武器は弾薬の概念を備えている場合が多いです。
弾数無制限の銃器は、ちょっと、安っぽく感じてしまうというのが理由なんだとおもいます。 しかし、これらの銃はおおよそ暴発・弾詰まりしません……


例2 お手洗い――生理的に不快なもの
JRPGの現代マップにはトイレがよく描写されていますが、ファンタジーマップでは描かれません。 穴とか、壺とか、なのですが、そういう生理的に目にしたくないものを、わざわざ描き込む必要はありません。
体臭、汗臭さを緩和するために香水が開発されたわけですし、少し傷んだ肉や野菜を食べるために香辛料が重宝されたのですが、そういう経緯や描写をリアルに入れても、ゲーム的面白さにつながりません。
それと似たようなモノかもしれませんが、被ダメ(負傷)表現も簡略化される傾向があります。
ステート異常に「出血」や「病気」はまれに見ますが、HPが削られていくなら「毒」に集約したほうが簡潔になりますし、四肢損壊の表現をいれると、システム的に面倒になる上、CEROランクを不用意に上げかねません。
グロいシーンに拘るゲームでは必須表現ですが、ここでは取り上げないようにします。
そこではゲーム性を高めるためにリアル要素を取り入れているからです。


例3 神話や宗教に関する闇設定
これは前回の小話に関わってくる話しです。
どの神話や宗教にもウラの面がありますが、ストーリーに絡まないのであれば、バッサリ省略したほうがいいです。
しかし、宗教組織を登場させる場合、だいたいメインストーリーに深く食い込んでくるので、実話をモチーフにしたリアル要素を取り入れるのはアリです。 が、やりすぎるとリアルの関連組織からクレームが入ります。
筆者は幸運にして現在のところ、そういった関係者からその手のメッセージを頂いたことがありませんが、それも時間の問題でしょう。 そのときはそのとき、と割り切っています。

 

最後に

上記の例を取り入れ成功しているゲームは存在します。
上記の例のほかにも、所持アイテム数に重量制限がなかったり、昼夜の概念がなかったり、便宜上省略される要素はいくつもあります。

成功しているデザインはゲーム体験の質を向上するための「リアル要素」として取り入れています。 プレイヤーに少しばかりのストレスを与えますが、テーマにも合致していますし、制作者の嫌がらせ・自己満足のような意図は感じにくいのではないかと推測します。 某 モンスターをハンティングするアクションゲームの砥石とか……回復薬ガッツポーズはなくなってよかった。

作者の自己満足の例

主張の強い「リアル要素」は好き嫌いが分かれる一因にもなります。