フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

RPG フリーゲーム ツクール RPGMaker ボカロP 温州みかん 月曜日更新

ゲームの「メタ読み」

メタ読み とは

フリーゲームを好んで多くプレイする方は熟達者です。
そういった方が、創作物全般に特にフリゲのストーリーやシステムに対して、様々な考察をされるときに、ゲーム内の開示情報ではないところから、あるいは、ごく小さなヒントと「長年のカン」のようなモノからすさまじく正確な答えを導き出すことがあります。

例えば、前作で一番最初に手入れる最弱の武器が、終盤、最強の武器の材料になると、今作でも同じギミックが用意されているんじゃないか、とか。
性能的に上位互換っぽい様相のキャラ、または似たような特徴を持つサブヒロン登場すると、次のイベントで、下位互換または似たようモブキャラの仲間が抜けるんじゃないか、とか。※
この人の作風は、冒険の最初のほうに手助けしてくれる先輩キャラが<実は黒幕>だったりするから、この人もそうだ、とか。
特にSFの場合、この冒険の最初の方でお世話になるAIやロボットが、ラスボスやそれに近い存在になることが多いです。

四天王などの敵幹部集の紅一点は お約束

久々の「機会と人間」のウラ話

さて、6月28日にサービスが終了してしまった、「機械と人間」 では、序盤、シェルターの保安システムのAIであるダヴィアスくんが登場します。
プレイヤーの半分以上が警戒するはずです。
「メタ読み」されることを前提に、いくつか対策をしました。
少しくらい信じて欲しいな、と思ったので、一般人・民間人にはあまり知られていないし、特定の人しかアクセスできない、といった特異性や、あえて、ダヴィアスが怪しいと言う軍人さんを登場させたりしています。
怪しい怪しいと登場人物が言うと、逆に怪しくなくなるサスペンスもののアレです。
ダヴィアスが黒か白か、でいうと、結果的には黒です。
彼……というかシェルターの保安システムは、基本的に、人間への危害が最小限になるための判断や有限であるシェルターの寿命を永らえさせることを優先するため、人体に危険がおよぶ実験を忌避し、略奪される危険性のある集団、特に他のシェルターの調査隊との接触も極力控えるようにしていました。
もっとも、他のAIは人間の判断を優先します。
しかし、ダヴィアスは委任型のAIであるため、様々なポイントで未然に人間が判断する状況に至るらないよう機会の調整を行うことができた、というウラがあります。

もう一人のAI人格スパロゥの言葉を借りると「一発逆転」を望まず、可能性に掛けるような実験を無価値なものと判断していたのです。

freegame-mugen.jp

制作者として

メタ読みされて悔しいか、と言われれば全然、そんなことはありません。
むしろ、そこまで考察されることに ストリーテラーとしての喜びを感じます。
しかし、考察を楽しむプレイヤーは一定の<お約束>と一定の「意外性」の両方を望んでいるので、フラグ回収、伏線回収のなかで「変化球」を少し混ぜたいと思っているのです。


※新しく仲間になったキャラのスキルが、次のボス戦で役立つというのはメタ読みというよりも<お約束>のようなもの。

2023.7.7 誤字訂正 得意→特異
2024.2.26 ゲーム「機械と人間」DLリンク先を追記