RPGのストーリーの主軸、展開の流れは「シンプルなもの」がいい、と信じるようになりました。
特に、全年齢向けの場合、2~3時間でクリアを見越した中編の場合は、恋愛要素やライバル要素、お使いや宝さがしをあまり入れないほうがスッキリするように思えます。
ユーザーとして遊んでいても、ツクラーとして制作していても……
キャラクター同士の会話が冗長になるから、です。
1 分かりやすさ
どうしても制作者視点でゲームシナリオを評価してしまいます。 悪いクセです。
全年齢向けRPGは、子供から大人まで、ゲームにあまり慣れていない人から熱心なゲーマーまで、幅広い層をターゲットとしています。
複雑で入り組んだプロットは、特に小さな子どもやストーリーに集中するのが苦手なプレイヤー、暇つぶしや片手間に遊ぶプレイヤーにとって、理解の妨げになることがあります。
いつのまにか、「やくそう」を探していたり「とうぞくたいじ」をさせられていたり……
シンプルなよく見る目的(例:「世界を救う」「魔王を倒す」「行方不明の仲間を探す」)は、誰でもすぐに状況を把握し、主人公として何をすべきか、会話においても直接的に誘導しやすくなります。
ライバル要素や色恋を匂わせると、その分、会話が長く、ややこしくなってしまうのです。
ごちゃごちゃしていない主軸は、プレイヤーが次に何をすべきか、何のために行動しているのかを常に意識しやすくなります。
恋の三角関係など複雑な人間関係がからむストーリーでは、本来の目的を見失ったり、情報過多で疲れてしまったりすることがあります。
ダレる、というヤツです。
シンプルな構造なら「あ、今はこの課題をクリアすればいいんだな」と、ゲームの進行とモチベーションを維持しやすくなります。
例えば:
伝説の剣を探しているのに、その大陸へ渡るための船が必要で、その船を手に入れるために盗まれた財宝を交換条件に提示され、その財宝を奪った盗賊を倒しにいかないといけないのだけれど、居場所を聞くために元盗賊の娘の病気を治す薬が…… となる展開パターンです。

船の所有者や元盗賊の娘が、何かしらの重要ポイント や どんでん返し に関わってくると無駄ではないように感じますが、それをやると 本来関係のない人たちだったことにより、ご都合展開臭くなってしまいます。
伝説の剣が隣の大陸にあるのなら、その場所を提示するキャラクターを偉い立場の人にして、その会話イベントのなかで船などの移動手段を手配してもらうほうがスマートな流れでしょう。
2 ゲームプレイのなかで
RPGは、戦闘、探索、育成、アイテム収集など、様々な遊びの要素が多くあります。
ストーリー、つまり会話が複雑すぎると、これらのゲームプレイの合間に物語の情報を整理する必要が生じ、テンポを悪くさせてしまいます。
さらに、シナリオの本筋に絡んでくる覚えなければならない、5文字以上の固有名詞が複数あるとイライラさせてしまうかもしれません。
雰囲気で何をすればよいかわかる程度の大まかな流れのなかであれば、ゲームプレイの楽しさを損なうことなく、物語の進行を自然に楽しめます。
制作テクニックの話ですが、物語の主幹が簡素なほど、その周りに付け加えられるキャラクターの背景、サイドクエスト、世界の文化といった“枝葉の部分”を際立たせることができます。 土台が強固でそれ単体で成立させられるからこそ、そこから派生的に生まれるオリジナリティやサブイベントが、メインストーリーを侵食することなく、作品の魅力として機能させやすくなります。
3 小 技
作品独自の要素や分岐要素を、オーソドックスな展開を活かしつつ効果的に盛り込むには、主人公の「目的」と「手段」の観点から「小技」を導入するのが有効です。
主人公の最終的な目的は初期に提示したものを維持し、その「意味付け」や「動機付け」を変化させることでオリジナリティを加えます。
魔王を倒す意味が、王様からの命令(単純な世界平和) → 主人公の自己実現となったり、ヒロインに関する私怨だったりにシフトするヤツです。
あるいは手段の変化を入れる方法もあります。
ヒロインをいけにえにすると簡単に終わるけれども、それはできないから、ほかの方法を探す……などなど。
設定の深いところはサブイベントで掘る、という形式と相性がいいのも特徴です。
4 自作品では
どらどらDragon's notes END line~りゅうのくにのいのりひめ~では、こまごまとしたエピソードや設定を付け足して、五体の竜の世界観を表現し、壮大な空気を演出すればいいや、と思っていましたが、今、苦労しています。
それでも、本筋が、武力侵攻を続ける帝国に屈する形で嫁に出された「お姫様を助ける」、連れ帰る、なので助かっている感じがします。

