フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

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「ラストエリクサー症候群」について(その2)

追記: 訂正とおわび
公開日時の設定を間違えたので、あらたに2024年11月18日(月)にUPしなおした記事です
追記のほか、内容は同じです
更新を確認しましたら、前ページは削除します

 

結論: ラストエリクサーのような希少かつ強力な効果を持つアイテムを使用せずゲームクリアできるのは、開発者の想定するプレイングレベルより上である という裏返し
使うことによって、より快適にプレイできるけれども、いざというときの最後の手段、保険として手元に置いておくのも悪手ではない

 

1 (ラスト)エリクサー症候群(しょうこうぐん・シンドローム)とは
ラストエリクサー症候群とは、ゲームにおいて希少な消費アイテムを温存したまま使わずにクリアしてしまうプレイスタイルを指す俗語。
引用 ピクシブ百科事典

dic.pixiv.net

 

2 なぜ希少なのか
とても強力な効果を持っているので、そのアイテムを無制限に使用するとゲーム性が壊れてしまいます。
しかし、強力な敵を倒す手段のひとつとして、あるいは救済措置のひとつとして、強力なアイテムを、取得制限をつけてプレイヤーに持たせることは、プレイングの幅を広げる措置として有効だと考えられています。
ラストエリクサーのような、全体回復効果をもつアイテムが多くのRPGで採用されていることからもうかがえます。
実際テストプレイをしてみて、ラスボスや裏ボスを強く設定すると、そういうアイテムがなければ突破が難しくなるのです。

アムリタをつくる森人 by どらどら

 

3 プレイヤーと開発者の心理的乖離(かいり)
ゲーム制作者はそのゲームのすべてを知っています。
一部のバグや思いも知らない組み合わせのようなものをプレイヤーが発見する歴史は確かに存在しますが、個人制作界隈では、まずありえないと思います。

(私の過去作をやり込んでいただいている方は、ほんとうにありがたい存在です)

つまり、通常プレイや速足プレイで突破困難なポイントを知っていますし、壁となるボスがあと何体なのか、何戦するのか、また、どこで、どのタイミングで有用なアイテムを手に入れられるのか知っているので、リソース管理を逆算できるのです。
しかし、プレイヤーは詳細を知りません。 最初の壁があまりにもきつく、貴重なアイテムを消費して突破した場合、その後、アイテムの消費に慎重になります。
よって、ラストエリクサー」を使う決断の重さが違うのです。

 

4 発展とまとめ
ラストエリクサー症候群とは別に、消費アイテムを温存するプレイングが存在します。
次から次へとアイテムリソースが入手できるゲームでは起きにくいのですが、そういうデザインのゲームかどうか、最初のうちはわかりません。
そして、序盤から、次から次へとアイテムリソースを解放するゲームは少ないと言えます。
ゲームに慣れてないうちから、まだゲーム的面白さを感じていないプレイヤーに、固有名詞と効果を一気に覚えさせ、リソース管理をさせることになるからです。
そして、それだけ多くのアイテムリソースを必要とするのなら、必然的に難易度が高くなってしまいます。
難易度そのままで、たとえば回復アイテムを大量に配ると、緊張感がなくなり、戦闘そのものが退屈になってしまいます。 ヌルくなる、というやつです。

難易度調整のような役割が「ラストエリクサー」のような強い効果を持つアイテムにはあり、ヌルゲーやゴリ押しゲーにしないために、ゲーム内で(クリアまでに)入手できる個数制限を設けています。

それをあえて使わないプレイングは、作り手の想定よりも上をいっていることになります。