フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

RPG フリーゲーム ツクール RPGMaker ボカロP 温州みかん 月曜日更新

では「悪」が必要な理由


前回「正義」が必要な理由 について語ったので、今回は「悪」について語ります。
実際のところ(ゲーム世界において)「正義」と「悪」の存在する目的は同じです。
ストーリーをわかりやすくするため、ひいてはプレイヤーが楽しめるようにするため です。

哲学者ソクラテス先生の言葉を引用します
>「誰ひとりとして悪を欲する人はいない」
>「すべての犯罪者には、犯行に手を染めるだけの内的なしかるべき理由がある」

ネタバレになるのですが、古代ギリシャ語の「善:agathon」は「ためになること」「悪:kakon」は「ためにならないこと」を意味する言葉です。
「あの人は素晴らしい」「あの人は罰していい」などの道徳的、社会教義的善悪の意味合いはないとされています。
現代日本風に意訳すると
「だれも、ためにならないことをやろうとは思わない」
「犯罪者であっても、その犯行動機には それなりの理由がある」
くらいの雰囲気になります。

で、この善悪の判断を社会学的に構築すると
「個人の利益を追求し、社会に不利益を与えること」が悪となり「個人の利益を追求せず、社会に利益を与えること」が善と定義されます。
※個人の利益と社会の利益の双方を目指すと、提唱者の想定を超えたどこかにしわ寄せがいく歪なシステムを構築していまいます
そして、さらにこれをゲームストーリー的に解釈すると
「お使いイベントで渡されたアイテムを、違う人に渡すのは悪いこと」「危険を顧みず魔王を倒すのは善いこと」という回答になります。

リアルな現実においても「社会」の定義で、自分と利害が一致する集団:社会なのか、利害の一致しない別のコミュニティを含んださらに大きな集団:社会なのかによって、かなり解釈が違ってきます。 そのため、ここでは割愛。 たぶん、この「所属と社会の利害関係」の議題でブログが5、6本書けてしまいます。
例:ゲームの制作者とユーザー間の<お約束>にポリコレを突っ込んでくる第三者は、狭い関係性:社会には損益を及ぼすが広い関係性:社会には貢献している

無職●生のロ●シーがもとねた
しかし、明言しない限りもとねたがわからないくらい
ファンタジー魔女キャラクターの容姿、特徴って被っているような気がする

RPGは戦闘がゲームの主体です。
ポップな音楽やコミカルな動きをしていますが、武器を手に、命を懸けて戦います。
それなりの対立を描かなければなりません。

まず、主人公が所属するコミュニティと所属していないコミュニティの2グループを作ります。
所属していないグループがその存続のために<あることを>をして、それが結果的に主人公の所属するコミュニティに大打撃を与える、という方程式上の「善悪」を作ります。
二つのグループを対立させます。
このあと、対立していたグループと協力関係になったり、元凶となる黒幕を登場させたりするのはライターの好みの問題です。
安易な黒幕設定は安っぽくなりますが、ハッピーエンドにするためには妥協せざるを得ません。


※個人の利益と社会の利益の双方を目指すと、提唱者の想定を超えたどこかにしわ寄せがいく歪なシステムが構築されてしまいます
政治経済分野が多いですが、そこは書きません。

遺伝子組み換え食品の弊害
(特定の農薬:殺虫剤に耐性を持たせるのが主な目的 ガンガン使えるので土壌汚染を招いてしまう)
DDTの大量散布と同じ構図に

フロンガス クロロフルオロカーボンChloro Fluoro Carbonの流通 開発当時は安全で画期的な冷媒だった。

最近知ったウナギ問題
工業用水、農業用水確保のための河川の防潮整備→うなぎの遡上の妨げに→うなぎが絶滅危惧種
うなぎの繁殖→ウナギの繁殖用の石を川に設置→効果は検証されない
稚魚の放流→実際のところ、養殖場の稚魚(シラスウナギ)なのでその雌雄の比率は圧倒的に雄が多い。 遺伝子学的に卵/稚魚は1:1のはず 天然の比率は長生きするため雌が多い。しかも、元気で育ちがいいのは育成・出荷用。放流用はお察し。→効果があるのか、もしかするとオスの大量放流は生態系を壊している可能性さえあるが、調査できない

などなど

「正義」が必要な理由

ゲームにおいて多くの場合、主人公は「正義」の側に立っていることが多いです。
実社会でもそうですが、これは、ひとえに「人間は自らが正しく価値があると思ったことしかできない」という行動心理学?の原理に基づく壁のような行動原則があるからです。
ストーリー的な演出というより、行動のための"自然な"動機付け、と示したほうがいいかもしれません。
ざっくり、「正義」や「大義名分」があると、ストーリーを円滑に説明することができるのです。

例えば、コミックなどの海賊版サイトを摘発する「半民間組織」を例にしましょう。
本来であれば、出版社がその損益を示し警察に被害届を出して捜査をしてもらう流れになります。
しかし、日本の警察は日本の法律(国内法)のなかでしかその権限がありません。
多くのサーバーや管理者は海外です。
日本の警察では、なかなか手を出すことができません。
なので、出版社は、その国に子会社を置き、子会社経由で、その国の捜査機関に訴えなければならないのです。
ただでさえ海賊版サイトの影響を受け売上が減っているとされているのに、余計な出費が増えてしまいます。
そこで行政は知恵を出しました。「半民間組織」なら「摘発行為」ができるんじゃないか、と。
官と民のいいとこ取りのこの活動に「法的根拠」は必要ありません。
ところが、事の発端は<お金の問題>です。 自腹を切るのは不当である考えている出版社が政府に泣きついて「半民間組織」を組織してもらいました。
(実際のところは経産省文化庁あたりが音頭をとって権威・権限を与え、任意団体から組織、以後一般社団法人への流れっぽいが詳細不明 活動資金は経産省のJ-LODも含まれているのかな?)
ところが、正直に<お金の問題>を主軸に置いたままにすると、
「なんで、民間の出版社の利益に関する訴訟事に政府が介入しているんだ?」 と私のような人間から突っ込まれてしまいます。
そこで「正義」の出番です。
「日本のコンテンツの海外流通促進に資するため、海賊版サイトの摘発が必要である」
著作権の侵害はクリエーターを蔑ろにしている」
「金銭的被害は出版社だけでなく、クリエーターの生活をも追い詰めている」
といった耳障りのよい「建て前」です。

棒人間に著作権はあるのか

なぜって?
漫画家やアニメーターの環境を聞くに、国を挙げて応援・リスペクトしていると到底思えないからです。
出版社や配給会社との契約内容はあいまいで、使い捨て上等のような印象さえ受けます。
もしかすると、すべての作り手ではなく成功者だけを「クリエーター」であると認識しているのかもしれません。

<ややこしい問題>を「シンプルに見せる」効果がゲームシナリオにおいて必要なのです。
で、<オークを10体狩る>というギルドミッションから「正義」を消すとどうなるか?
この<お金稼ぎイベント>を避けようとされたプレイヤーさんがいらっしゃいました……。

こうしてツクラーは「エタナる」

社会生活・日常生活のなかで様々な誘惑が存在します。
また、ゲーム制作は思いのほか地味です。
そして、なかなかカタチになってくれません。

そうしているうち、様々なアイディアが頭に浮かび、制作中のプロジェクトに入れていこうとします。
すると、「ボリューム3倍の法則」のように、構想段階の規模の3倍程度の作業量に膨れ上がってしまいます。

アウトプットの処理が追い付いているうちはいいのですが、様々な誘惑と戦っていると、どんどん頭の中や“中ニノート”に「こんなふうにしたい」という出荷待ちのネタが溜まっていくのです。
このブログのアイディアもそうあってほしいものです……
さて、そんな、どん詰まり状態が続くと「仕切り直し」をしようと思うのです。
そして、今ちょうど、ミッションクリア型のRPGを制作中だったのに、ツクールMZのデフォルト機能だけでどれだけ面白いモノを作れるのか挑戦しよう、という欲求が抑えられなくなっています。

悲しいです。
これも「サガ」なのでしょうか。
こうしてツクラーはエターナるのです。

あたらしい ようつべch. のアイコン案

先週の教訓

一週間である程度の幹の部分をツクらなければならない。
そして、妥協が必要だ。

「レベル」の概念のあるゲームは「時間の無駄」なのか

先日、ねとらぼ にも特集されましたが→
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2207/07/news166.html
6月16日はてな匿名ダイアリー
【レベルという概念のあるゲームが完全に時間の無駄に思えてきた】
https://anond.hatelabo.jp/20220616231129

という書込みがあり、ちょっと盛り上がっていたようです。
スレ主の言いたいことは、レベル上げを強要しプレイスキルを軽視するゲームは時間つぶしの要素が大きく「単純作業で面白くない」ということのようです。

それは、同感です。 同感しかない。 禿同……

決して、レベルの概念=キャラクターの成長要素 の全てを否定している分けではありません。 キャラクターの成長がレベル:戦闘回数に依存し過ぎるゲームデザインはプレイヤーにボス撃破に至る過程のどこかで虚無感を与えるという話です。 レベルが足りないパーティーではどうやっても勝てない仕様にすると、すべからく そうなってしまうのです。
しかしながら、RPGにおいてレベルをはじめとするキャラクターの強化の要素は切っても切れない関係にあります。

もっとも、有名なタイトルは低レベル攻略が可能なゲームデザインになっています。
有名なところは最終決戦と言いながら15作品続き、2023年夏に16番目のナンバリングタイトルの発売を予定している5作目でしょう。
私もスマホ版にて2114型(ちょうごう・はなつ/モンフングス: デジョン 禁止)をやったことがあります。

戦術的な要素でプレイスキルを発揮できますが、それも、一度ボス戦を経験し相手の手の内を見切ったうえでの対策のようなものです。
救済措置としてのレベルを上げて物理で殴る、あるいは、レベル係数を掛けるという処置はします。

一見、実力第一主義のモンスターを(仲間と協力して)ハンティングするアクションゲームや褪せた瞳の主人公が狭間の地で壊れたリングを修理するアクションゲームなんかも、なんやかんや救済措置的な装備や順路を用意してくれていたりします。 後者はレベル要素が満載ですし。

ガンランスにロマンを感じる

話しがそれました。
作り手にとってこの手の話題は

「このようなデキる人を楽しませつつ、ゲームが苦手な人もどうやって引き込んでいくか」

という課題として受け取っています。

また、通常のレベル上げや装備の強化には飽きている層が「フリゲ環境」には多いです。
そこで、私が考えたのが”主人公のHP”にフォーカスした成長システムでした。
プレイスキルの成長というより、効率的に成長させられるアイテム探索、スキル選択、敵捜しを楽しんでもらえる感じです。

一応の最新作「脱出 真夜中の学園」においても、RPGパートにおける撃破必須のボスはレベル1(初戦)でも勝てる仕様にしていますし、レベル1撃破で実績※が付くようにもしています。

RPGにプレイスキルを求めると、それは、アクション性か各キャラクターの成長方向の理解と敵の特性を求めるようになってしまうので、やりすぎると苦手な人を置いてけぼりにしてしまうのです。
つまるところの妥協点が、敵を倒して経験値を集めレベルを上げる、お金をためて装備やスキルを購入する、という部分に落ち着いているのでしょう。
先人の知恵。

 

※「TorigoyaMZ_Achivement2」Ruたん さま感謝しております。