フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

RPG フリーゲーム ツクール RPGMaker ボカロP 温州みかん 月曜日更新

フリーゲームの「適切なボリューム」

結論: 長くても5時間、30分でも十分

1 きっかけ
先月発売された幻のナンバリングタイトルから数えて約16年のアクションRPG新タイトルについて賛否両論あるみたいです。

新旧ヒロイン (左: シリーズ1作目(外伝の位置づけ) 右: 最新作)
描いてみて 踏襲しているのがわかる


その否定的な意見なかに「プレイ時間が思ったより短い(ボリュームが少ない)」という点があげられています。
フルプライスなのに30時間くらいしか遊べない。 クリア後、一通りのストーリーを体験した後、やることが少ない。 らしいのです。
1,000円で10時間 + α の公式からすると、確かに、倍くらい期待されていたのでしょう。

 

2 フリーゲームでは
では、無料で遊べるフリーゲームでは「どのくらいのボリュームが適当なのか」考えてみます。
まず、上記の公式では「まったく遊べなくても問題ない」ことになります。
で、悲しいことに、実際その通りで、本当につまらなくてもクレームが来ることはありません。
ここだけの話、私自身、タイトル画面、OPでブラウザバックした作品もいくつかあります。
しかし、それでは本日のテーマを掘り下げることはできません。
そこで、フリーゲームの需要について考えてみます。

 

3 需要分析

(1) ちょっとした時間つぶし
ゲーム体験をしてみたいが、それほど時間もお金もかけたくないし、複雑な操作を覚えたくもない、という層を想定してみます。 かつての私です。
この場合、10時間以上の大作は敬遠されがちです。
10時間以上も費やして得られるゲーム体験なら、市販のプロによるクオリティーの高いものを求めてしまうからです。
なので、その半分の5時間が最大の限度となるでしょう。
それこそ、10分のゲームでも、ボリュームが少ないと思われることはありません。

(2) 尖ったゲームがしてみたい
大手デベロッパーが挑戦しないジャンルのゲームを遊びたい層です。いわゆるバカゲーとか、成人向けジャンルとか、まれによくみる倫理観が吹っ飛んでいるゲームもこれに該当すると考えられます。
言い方が悪いですが、刹那的な快楽を求めているので、何十時間もプレイした後の達成感や壮大なストーリーによるカタルシスといった感動の方向とは違います。
もっと、もっと、直感的な高揚感です。
つまり、それほど長い時間プレイすることを、需要層は想定していないと言えるでしょう。
なので、我々開発サイドも想定する必要がないのです。

(3) レトロな感じのゲームが好き
これは(1)と被る部分があります。
プレイヤー個人の体験や好みの部分で、90年代の雰囲気を求める層は、そういう匂いのするフリーゲームを探しているものと思います。
このケースに限って、ボリュームが少ないと感じられる場合があります。

(4) 同業者
はい、そうです。 筆者の個人的な感想です。
「長くても3時間くらいでクリア」できるのがいいです。
土日で無理せずクリアできるボリュームがその程度からです。
そこから、感想を上手い具合にまとめたり、ファンアートを描いたりするので……
クリアまで3時間以上かかる作品をこの界隈の人間にオススメする場合、よほどの自信作でない限り……
歯切れの悪い言い方で申し訳ありません。

気になってプレイしようかな、と思っても想定プレイ時間が10時間以上だと、制作中の自作品の工程に影響がでてしまいます。

 

4 ボリュームを削る方法
プロットを絞る
主要な登場人物をリストラする

 

5 ボリュームを増す方法
サイドクエストやサブイベントについては、こちらの記事で

workingestimation.hatenablog.com

 

実績については、こちらの記事で

workingestimation.hatenablog.com

 

6 まとめ
ベストな想定プレイ時間、ゲームのボリュームはそのゲームの需要層によってことなりますが、10時間以上の大作ボリュームをフリーゲームに求めている層は少なく、かえって敬遠されることもあります。

長くても5時間以内、たとえ短くてもフリーゲームに物足りなさで不快感を感じるユーザーはいません。 もしかすると、開発者の他のゲームに興味を持ってくれるきっかけになるかもしれません

制作者の意図しない?「組み合わせ」

あるある

シリーズが長く続いたり、開発期間が長期に及ぶと、当初設定していた「組み合わせ」より、合理的な「組み合わせ」が意図せず生まれることがあります。

ヒーロー、ヒロインの関係性で相乗効果を演出していたにも関わらず、当初設定していたヒロインよりもイイカンジの「組み合わせ」になる女性キャラクターが出てくる、あるいは出してしまうこともしばしばです。

I:P 効果では破壊されない + 戦闘につよい

例えば

例えば、RPGの制作においては、敵の強力な攻撃をヒロインの能力で軽減し、持久戦で勝利するデザインをしていても、実際のゲームプレイにおいて、超高火力で押し切った方がシンプルに攻略しやすくなっていたり、その逆であったり……

敵の倒し方に高い自由性を持たせるのはそれなりに大切にすべきなのですが、ストーリー上、設定上のメインヒロインが、一番盛り上がる戦闘で”いらない子”になってしまうのは悲しいと思ってしまいます。
よく、キャラクターの特色で、上位互換、下位互換を作ってはいけないと言われていますが、それと同じくらい、ストーリー上、システム上演出された「組み合わせ」をダメにするキャラクター(装備やスキル、ステータスや耐性などを含めての特徴)を、――本当は――出すべきではない思うのです。

とは言うものの

制作者として、プレイヤーとしてどうなのか? と問われると、まぁいいんじゃない?と思ってしまうあたり、自己矛盾を抱えています。

創作あるある「思うように進まない日」

ツクール(現RPGMakerシリーズ)に限った話ではありませんが、毎日コンスタントに進んでいたプロジェクトが、ある日、パタンと止まってしまうことがります。
疲れているとか、時間が取れなかったとか、気が進まなかったとか、Youtubeで動画をまったり観てしまったとか……
この、エターナる前兆のような「思うように進まない日」を感じてしまう現象に名前を付けたいと思ったことがあります。

RPGツクールMVのヒロイン枠?

そもそも

こんな現在制作しているゲームに関係のないイラスト描いているヒマがあったら、マップを描いたり、会話イベントを打ち込んだり、もしくは、ボカロPとして依頼を受けた楽曲を仕上げたりした方がよいのでは? と自分でも思ってしまいます。

しかも、雑です。

もうちょっと丁寧に仕上げたら素材として公開できるのではないか、とも思ってしまいます。

シナリオ考察 「冒険活劇」とは

いつものWikiペディア教授―――――

冒険活劇(ぼうけんかつげき)とは、主に小説・映画・漫画・コンピュータゲームなどの分野のひとつで、主人公の冒険を主題として全体を活劇仕立てにした物語である。字義的には、冒険をすればおのずと活劇の要素が含まれるため、活劇の一分野と考えることができる。

冒険活劇は一般に日常生活と異なる舞台で行われる印象があり、異国・ジャングル・海・宇宙などを舞台とするものが典型的である。日常社会を舞台としたものや、いわゆる「格闘モノ」などは冒険活劇とは言わないが、冒険活劇とそれ以外の活劇の厳密な区別は困難である。

現代日本では「冒険」「活劇」は「アドベンチャー」「アクション」(そもそもがそれぞれを明治維新時に翻訳して作られた新しい日本語である)と表現した方が通じやすい。

とのことです―――――

ジャンルについての説明で「冒険活劇」の響きが持つ明るさや軽さ、華やかさといった「色」の部分の説明はありませんでした。
で、シナリオの流れや展開の仕方、毛色と言ったニュアンスでの「冒険活劇」を定義すると。
主人公が「盗賊を成敗する」部分があると「冒険活劇」である とすることができます

シーフのつづりは「thief」



盗賊の属性
単純な悪
一生懸命作ったり育てたりしたものを盗んで自分の利益にする行為で生計を立てています。
古今東西、これほどわかりやすい悪はありません。
被害者視点から一目瞭然で、経済学的な見地からも悪であると定義できます。
動機も単純(過去の出来事にさかのぼった動機付けもなく、政治思想的なものを伴わないという意味)で、色のない悪です。
なので、純粋に主人公たちを活躍させたいという目的で登場させることができます。

これが、志の高いライバルであったり、悲しい過去のあるモンスターだったりすると、途端にテーマ性が前面に出てしまい、軽さや華やかさが一歩、二歩、後ろに下がってしまいます。

 

王道との違い
王道は初手「村焼き」です。
社会との関係性を根こそぎ奪われた主人公が、その奪った相手に報復するストーリーです。
報復の過程や副産物で、失った社会的関係性、地位や大切な人を再び手に入れることで幸福感を演出します。
冒険活劇ではありますが、物語の冒頭の部分で失うものが大きいのが「王道」で、別にそうでもないのが「冒険活劇」です。
しかし、王道の中に冒険活劇があったり、冒険活劇の中に王道が組み込まれていたりするので、明確にこれはこうだ、とカテゴライズできないのがシナリオ構築談義のムツカシイトコロです。

 

ファンタジーでは
ファンタジーで盗賊を出し主人公を活躍させると、結果的に人間を札Guyすることになってしまうので、盗賊ではなくモンスターにしたりします。
このような冒険活劇色の強いファンタジーのモンスターは、本能的に人間を襲う、複雑な組織的な行動はせず、最終的な目的は魔王ポジションのモンスターしか持っていないといったデザインがされています。
盗賊の属性で語った目的とおなじです。

いろいろなファンタジーがありますが、明るさや軽さ、華やかさを求められる場合や、閑話休題、主要な登場人物ではないもののそれなりのエピソードを語りたい場合、「冒険活劇」のような展開で「色のない悪」が用いられるように感じます。