フリーゲーム「妹のドリームランド」開発室

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「女の子」が主人公のゲーム


女の子が主人公の物語を制作するとき、ひとつの鉄板ネタ、今風にいうと物語スキーマが存在します。

1 従順でかわいい「女児」が、
2 ズルい大人に騙されて、
3 ひどい目にあう。
4 しかし、愛、友情、勇気によって打ち勝ち、
5 ハッピーエンド

という雛形です。
日朝の魔法少女系にもつながる方程式です。

女児と表現したのは、筆者のセンスです。単純に女の子と書くと大人の女性が演技する子供っぽさを連想してしまうからです。
ここだけのはなし、女に騙されない男は存在しません。
そういう女の子は、まず、ズルい大人に騙されないのです。逆に騙す側なのです。
よって従順さは必須!
一部、わざと騙される女性もいますがそのあたりを語ると長くなってしまうのでしません。
ただ、どんな女性も少女っぽさを持っているので……
ペッティングしてもピクリも反応しない――そのままスマホでソシャゲを遊び続ける――のに、手をつなぐと恥ずかしがる、とか

ところで、この鉄板ネタをゲームに転用すると、まずいことが起こるのです。
主人公はプレイヤーの分身です。しかし、それを操作するのは、必ずしも同年代の同姓であるとはかぎりません。
むしろ、大人の思考をもつ男性のほうが多いと考えられます。

この場合、主人公が「ズルい大人に騙されて」「ひどい目にあう」の展開が、どうしても「これはお約束ですよ」という「勇者なので魔王を倒してください」に近い作られたストーリー感になってしまうのです。
「『騙されて』『ひどい目にあう』という流れに乗ってください。 回避してはいけません」と……
ネタとしてはそれでいいのかもしれませんが、メタくなってしまいます。

そして、「愛、友情、勇気」という大人にはまぶしすぎる要素で打ち勝つのも、「伝説の剣が光り輝く」かのような、これはそういうモノです という空気を存分に生成してしまいます。

女の子が主人公のゲームで、女の子が主人公の物語を展開すると、主人公の視点=プレイヤーの視点になりにくくなってしまいます。 プレイヤーの思考がストーリーに主観的に介入・干渉しようする方向ではなく、ストーリーをそのまま楽しもうという客観的に予想・鑑賞しようとする方向に動いてしまいます。それは、受動的な視聴<コミック>や<映画メディア>に近づき、主体的なゲーム体験を提供する狙いとは違う方向(サウンドノベルなどの一部のゲームではそれでも問題ない)とは違う方向です。

だからといって、女の子が危機を回避してしまうルートを通ると、多くのプレイヤー:特に大人の男性たちは萎えてしまうのです;

女の子が主人公のゲームは、本当に難しいです。

怯える魔法少女(カラー)絶望感が足りない


プレイヤーが、従順な女児を騙すズルい大人の立ち位置なら……


それはそれで別ゲーになってしまいます。

2022.9.22編集:段落、誤字訂正